4/29/2012

LDSにおけるkappaの重要性

LDS (Leaps diagonal spread)が通常のCCWに比べて有利な最大の理由は、初期投資が少なくてすむ(=ROICが大きくなる)ことであることは既に述べたが、LDSが有利な理由は他にもある。

Kappa(Vega)は、volatilityの変動に対するオプション価格の感応度だが、ATM付近のオプションで最大値となり、ITMやOTMでは小さくなる。また、満期までの期間が長いオプションのほうが、Vega(Kappa)は大きくなる。LEAPSは高いKappa(Vega)を持つので、volatilityが上昇するとオプション価格は上昇、即ち、time valueは高くなる。

将来のvolatilityを予想することは、株価を予想するのと同様にほとんど不可能なので、過去のデータから計算して求めるか(historical volatility)か、オプション価格から逆算して求める(implied volatiluty)が、ここでは大体の傾向がわかればいいので、適当な値を代入する。

今、SPYの」株価が140.39、volatilityが19.2とすると、残存期間966日のstrike priceが105のLEAPS(コール)の理論価格は36.98だ。300営業日が過ぎ、残存期間が666日になったとしよう。何事も波乱がなく、SPYの株価が現在とほぼ同じ140で、volatilityも今と同じ水準の19.2とすると、LEAPSの価格は、36.22になる。しかし、何らかの経済的混乱が生じて、SPYの株価が110に急落したとすると、LEAPSの価格は12.30になり、24.68の損失だ。しかし、CCWで現物株を保有していたら、30の損失なので、それに比べれば、まだ傷は浅い。

しかし、話はそこで終わらない。概して、株価の急落時にはvolatilityは上がるので、高い Kappa(Vega) をもつLEAPSはtime valueが高くなる。 Volatility が約2倍の38になったとすれば、LEAPSの価格は22.67に留まるので、14.31の損失ですむ。現物株をもつ「安心感」もわからないではないが、「経済合理性」を考えるなら、LDSも選択肢の一つになると思う。

Stock price Strike price Volatility option price intrinsic value time value
140 105 19.2 36.22 35 1.99
110 105 19.2 12.30 5 7.30
110 105 38 22.67 5 17.67

2/24/2012

Leaps Diagonal Spread

一旦unwindしたLEAPSですが、全体としては満足な結果でした。LDSに反省があるとすれば、損失を出したQQQ(下記)でしょう。

投下資本LEAPSshort calltotal
QQQ5.71.58 (27.7%)-2.29 (-40.2%)-0.71 (-12.5%)

この場合、LEAPSは、当初ほぼATMだったので、デルタはたいたい0.5+αだと思いますが、もしLEAPSをdeeply ITMで持っていれば、デルタは0.7-0.8ぐらいになりますから、totalでの
損失の絶対額がもっと少なくなった可能性が高いと思われます(損失率が低くなるのは、分母が大きくなるから当たり前)。これは「たら、れば」ではなく、「理論」です。

と言うことで、結局、多くの方が言っているように、
LEAPSはやはりdeeply ITMがいいように思われますここで問題になるのは、LEAPS、とくにdeeply ITM のLEAPS call optionの流動性です。しかし、SPYのオプションは、日本の小型株のようにそもそも市場参加者が少ないということではなく、人間かコンピュータか分かりませんが、息を潜めて、ask/bidを観ている市場参加者が非常に多いということに留意する必要があります。つまり、(私のような)馬鹿な投資家が割安な売り注文や、割高な買い注文を発注すると、たちまちに約定します。細かなことを気にしなければ、deeply ITMのLEAPSは、思っていたほど、流動性が低いわけではないようです。

2/15/2012

LDSの総括

「再考」の次は、「総括」だ。LDSをはじめてほぼ半年になったので、この際すべてのポジションを閉じて、総括してみることにした。

半年間のリターンを計算した。いつものことだが、手数料は無視できるぐらいなので、考慮していない。参考までに、SPY, IWM,  QQQの株価はこの半年間殆ど変わっていない。

結論を書くと、半年間のリターンは下記の通りだ。
  • SPY (slightly ITM)  31.3%
  • SPY (deeply ITM)  21.8%
  • IWM (slightly ITM)  1.6%
  • QQQ (slightly ITM) -12.5%

IWMのリターンが、「再考」の途中経過とは全然違う値になっているが、こちらの値が正しい。

さて、前出のLDSのリターンについて、もう少しだけ分析しよう。括弧内の数字は、投下資本に対する比率。期間はいずれもほぼ同じ。細かく見ると、原資産の価格は、IWMが悪く、QQQがよく、SPYはその中間だ。short call で集めたプレミアムの量・方向は、概して、LEAPSの価格と反対になるので、やはり、LDSは原資産の価格変動が少ない場合によいリターンが得られるということだろうか?


投下資本LEAPSshort calltotal
SPY
 (slightly ITM)
15.31.74 (11.4%)3.05 (19.9%)4.79 (31.3%)
SPY
 (deeply ITM)
33.94.10 (12.1%)3.28 (9.7%)7.38 (21.8%)
IWM9.72-3.63 (-37.3%)3.47 (35.7%)0.16 (1.6%)
QQQ5.71.58 (27.7%)-2.29 (-40.2%)-0.71 (-12.5%)



    2/14/2012

    LDSの再考

    今週は、expirationを迎えるので、改めて、LDS (Leaps diagonal spread)のリターンを検証した。それで、このブログを見直していたところ、以前の投稿で、リターン(ROIC)の計算間違いをしていたのに気がついたので、こっそり直した。このブログは、自分のメモ用なので、大目に見て欲しい。

    ところで、LDSのリターンが結構ばらついてきた。LDSをはじめて約6ヶ月なので、年率リターンは、下記のリターンの約2倍だ。私の計算が間違っていなければ、昨日の時点でのリターンは以下の通り(commission feeなど些細なものは計算外) 。それによると、なんと、IWMとQQQは陰転してしまった。
    • SPY (deeply ITM)   21.5%
    • SPY (slightly ITM)  31.3%
    • IWM  -15.1%
    • QQQ  -15.9%
    LEAPSのlong positionについては、deep ITMのほうが理論的には正しいかもしれないが、実践するとなると、deep ITMのLEAPSは流動性が極端に少ないので、(あまり評判のよくない)Terry Allenの主張する理屈(=投資資本が少なくてすむ)とは別の意味で、slightly ITMのほうがいいかもしれない。Dec 2014のcall optionの出来高は、昨日は、slightly ITMである135 call は3420ロットあったのに対し、McMillanなどが主張するdeep ITM である100 call の出来高は、たったの1ロットだ。私は、通常、50-100ロット売買するので、これでは話にならない。

    2/05/2012

    LEAPS Diagonal Spread の検証 (2)

    IB証券のTWSは、高度な機能を使う人には、いろいろ不具合があるようだが、私にとっては、まったく快適だった。ところが、今日、久し振りにTWSを立ち上げようとしたら、起動しない!何度クリックしても起動しない!Webのほうからは、私のアカウントに入れるので、IB証券がメンテナンス中というわけではない。そこで、ANOYOさんが「JAVAは諸悪の根源」と言っていたのを思い出し、JAVAを最新のバージョンにアップグレードしたら、嘘のように、TWSは起動した。

    せっかく起動したので、LEAPS diagonal spread (LDS) をはじめて6ヶ月たったので、そのパフォーマンスを検証した。LEAPS call は、deeply ITMとslightly ITMのどちらがいいか、よくわからないからだ。勿論、原資産の価格次第で、状況は全く異なることは、百も承知の上での、「検証」だ。「検証」と言うより、「経験」と言ったほうが正しいのだが、「検証」のほうがかっこいいので、誤解を与えるかもしれないが、タイトルは「検証」にした。SPYが上昇しているので、LDSにとっては、不利な局面での「検証」だ。

    LDSのパフォーマンスは、前回と同様、ROIC (Return on invested capital) を指標として使うことにする。


    • 投下資本 = 当初LEAPS価格
    • 実現 P/L = 累積キャッシュフロー - 当初LEAPS価格
    • 評価 P/L = LEAPS時価-short positionのoptionの時価
    • ROIC = (実現 P/L + 評価 P/L) / 投下資本


    1.SPY (当初deeply ITM)の場合
    • 投下資本 = 33.90
    • 実現 P/L =-25.56
    • 評価 P/L = 32.14
    • ROIC = 19.4%
    2. SPY (当初slightly ITM)の場合
    • 投下資本 = 15.3
    • 実現 P/L = -6.99
    • 評価 P/L = 11.13
    • ROIC = 27.1%

    11/23/2011
    2/4/2012
    SPY (deeply ITM)
    3.8%
    19.4%
    SPY (slightly ITM)
    20.8%
    27.1%

    と、大分、両者の差が少なくなってきた。Time premiumの減衰は、ITMに近いほうが大きいし、時間の経過とともに大きくなるので、sligtly ITM のLDSのポジションを解消するかどうか、悩ましいところだ。

    1/09/2012

    高(好)配当ETF

    Jeremy J. Siegel はウォートン校の優れた経済学者で、昔、私の友人がウォートン校で彼の講義を受けたことがあるそうです。

    私の昔のホームページにも書いたことですが、最初に出した「シーゲル博士の株式長期投資のすすめ」では、S&P500などに連動したETF(または投資信託)を薦めていました。しかし、次に出した「株式投資の未来」では「高配当戦略」を薦めています。それはいいとして、この本には、いくつかの気になる記述があります。

    第一は、株式投資では禁句の「たら、れば」を連発している点です。例えば、「ブリストル・マイヤーズ・スクイブとシェリング・プラウの株価は、2003年末現在、3~4年前のピークに比べて4分の3近く下落している。主要薬の特許切れが相次いだからだ。株価を維持していれば、この2社はフィリップ・モリスにつぐ第2位と第3位になっていたはずだ」(「赤本」のp45)、「1957年から1960年前半にIBMが飛びぬけた成績を残していなければ、(ハイテクセクターの株価リターンは)平均を下回っていただろう」(同p62)など、随所にこのような記述が見られます。第二に、第5部の「高齢化をめぐる危機と世界経済の力学のシフト」に見られるように、あまりに大胆に未来を予測しています。

    全体としては、この本は他の人が書いた本に比べると、はるかにいい本なので、上記の点は残念です。

    ところで、WisdomTreeは Jeremy J. Siegel がアドバイザーとなって設立された運用会社ですが、2006年に彼の「高配当戦略」に基づくETFを販売しました。米国では彼がテレビ・コマーシャルにも出ていて、販売に力を入れているようです。同社は規模(大型・中型・小型)や地域などで分けられた多くのETFを作っていますが、その中のひとつにWisdomTree Dividend Top 100 Fund(DTN)がありました。

    2007年6月時点での金融(Financial)株の割合が30%を越えていてリーマン・ショックの時に、金融株のリターンがあまりに悪くなったので、このETFから金融株を除外して、WisdomTree Dividend ex-Financials Fund と名前を変えたのには、驚きました。銘柄選択基準もかなり変わり、全く違うETFになってしましたが、なぜかTickerはそのままです。途中からルールを変えることは、ふつうの感覚だとご法度ですが、ETFの世界では、そうでもないらしいです。

    もう一つの、高(好)配当ETFに、iShares Dow Jones Select Dividend Index (DVY)があります。これは、日本の証券会社でも買うことが出来ます。これは、Dow Jones U.S. Indexを構成する銘柄から、当年の配当利回りが過去5年間の配当利回りの平均と同じか上回ること、payout ratioが60%以下であること、3ヶ月の最小平均取引高が1日200,000株以上である基準を満たす最も高配当な株式100銘柄で作成されています。2007年7月の時点で、金融(Financial)株の割合は27%でしたが、現在は10%になっています(未確認ですが、銘柄選択基準は変わっていないと思います)。

    この両者とも、ここ2年のリターンを見ればわかるように、リーマン・ショックがなければ、もっとよいパフォーマンスををあげられた可能性が高いだけに、残念です。おっと、私も「たら、れば」を使ってしまいました。

    まあ、寿命が200年ぐらいあれば、これらを含めてインデックス投資もいいと思いますが、数年のスパンで見た場合は、必ずしも高いリターンは望めないように思われます。

    11/23/2011

    LEAPS Diagonal Spread の検証

    途中から、このブログを読んでいる方のために、私の現在の投資方針を記そう。

  • ファンダメンタル分析は労多くして、益なし(少なし)。

  • インデックスのBuy & holdは、数十年のタームで見れば、有効かもしれないが、1年から5年程度のタームでは、機能しない。

  • ETFを原資産とするCCW (Covered call writing) は、インデックスのBuy & holdのリターンを上回る場合が多い。

    最初の数年は、CCWのパフォーマンスを検証していた()が、ほぼすべて原資産のBuy & holdの場合のパフォーマンスを上回ることが確認できたので、最近はしていない。

    さて、LDS (LEAPS diagonal spread) のパフォーマンスはどうだろうか?LDSをはじめてから4ヶ月とやや中途半端だが、今までの成績を検証することにした。

    LDSのパフォーマンスは、ROIC (Return on invested capital) を指標として使うことにする。


  • 投下資本 = 当初LEAPS価格

  • 実現 P/L = 累積キャッシュフロー - 当初LEAPS価格 

  • 評価 P/L = LEAPS時価-short positionのoptionの時価 

  • ROIC = (実現 P/L + 評価 P/L) / 投下資本

    1.SPY (当初deep ITM)の場合


  • 投下資本 = 33.90

  • 実現 P/L =-25.91

  • 評価 P/L = 27.19

  • ROIC = 3.8%

    2. SPY (当初slightly ITM)の場合


  • 投下資本 = 15.3

  • 実現 P/L = -7.34 

  • 評価 P/L = 10.53

  • ROIC = 20.8%

    3. IWMの場合


  • 投下資本 = 9.72

  • 実現 P/L = -2.14

  • 評価 P/L = 3.43

  • ROIC = 13.3%

    4. QQQの場合


  • 投下資本 = 5.70

  • 実現 P/L = -3.52

  • 評価 P/L = 4.48

  • ROIC = 16.8%

    次に、同期間、対象ETFをBuy & holdした場合とのROICを比較する。LDSのリターンをザックリ知るのが目的なので、手数料などは考慮していない。この4ヵ月のパフォーマンス。

    LEAPS diagonal spread (%)
    ETF (%)
    SPY (deep ITM)
    3.8
    -8.7
    SPY (slightly ITM)
    20.8
    -7.4
    IWM (slightly ITM)
    13.3
    -18.2
    QQQ (slightly ITM)
    16.8
    -7.8

    概ね、LDSは有効のように見えるが、例数が少ないし、期間や対象ETFの動向によって、これと大きく異なる結果が得られる可能性はあるので、あくまでも参考程度に。特に、上昇相場でどうなるかは、まだ経験がないので、わからない。
  • 11/02/2011

    IB証券からの出金

    介入で、いくぶん円安になったというわけでもありませんが、IB証券からの国内銀行への出金を初めてしました。すべて調べたわけではないですが、ネット上でこれについての情報は、3年半前のこれぐらいしかないので、新生銀行への出金は、今も着金手数料が取られないか(ほかの邦銀は4000円ぐらい取られます)、その確認が目的です。

    勿論、出金の指示は、ネットで出来ます。海外送金の場合、電話での確認が必要なのは当然ですが、Union Bankからの出金の時は、Union Bankから電話がかかってきましたが、IB証券では、「電話をください」というメールが来たので、昼間に日本の支社に電話をし、出金の確認をしました。この時、私が「いつ出金されますか?」と聞いたら、「今日の午前中」とのこと。しかし、その日の夕方になっても、入金が確認できないので、翌日IB証券日本支社に電話したら、「本国で確認するので、翌日になる」とのこと。結局、翌日入金され、出金指示から、3日もかかりました。あとで、Web siteを見たら、3日かかるとのこと。それなら、電話で、最初からそう言うべきです。しかし、月1回までは出金手数料がかからないので、いいです。

    それで、肝心の新生銀行で、着金手数料が取られないかがどうかですが、取られていませんでした。これは特筆に価することです。IB証券での為替レート(米ドル→日本円)までは調べませんでした。悪しからず。

    9/30/2011

    オプションのブログが増えてきました

    私のブログが契機になったかどうかは、わかりませんが、日本でもCSP&CCWを中心とするオプションのブログが増えてきました。と言っても、私が認識しているのは、下記の二つだけですが。
    米国でも、CSP&CCWを中心とするオプションのブログは、片手に余るしかないので、これは喜ばしいことです。

    勿論、オプションの第一人者の増田氏のブログも参考になりますが、これはオプションに専念できる「セミ・プロ」向けです。

    関係ない話ですが、本やCDを買うのに、アマゾンを愛用していますが、米国Amazonで買うほうが、日本のアマゾンで買うよりも、30%以上安い場合が多いです。配達費が意外に高いのですが、それでもトータルで、10%ないし20%ぐらい安いです。これでは、日本発の本やCD以外は、日本のアマゾンで買う気がしません。

    9/17/2011

    APIXABAN (2)

    ACS(Acute Coronary Syndrome)の患者に対し、通常の抗血小板治療を行った人を対象に行った、placeboとapixabanのRCT(APPRAISE-2)で惨敗したapixiban(BMY/PFE)だが、Af(心房細動)の患者で、脳卒中リスクをもつ人を対象に、コントロールをwarfarinで行ったRCT(ARISTOTLE)では、予想通りにいい結果を得た。前回の治験は、コントロールがアスピリンなので、インパクトはこちらのほうがはるかに上だ。

    これで、抗凝固系は、JNJのXarelto(rivaroxaban)、ベーリンガー(非上場)のPradaxa(dabigatran)、と役者がそろった。一方、第一三共のLixiana(edoxaban)は、Afの患者が対象のRCTの結果は来年にずれ込むようだ。

    さて、Pradaxa(dabigatran)は、治験(RE-LY)では、日本人患者も数多く組みいられたため、日本でも、米国に遅れること僅か数ヶ月で、承認された。欧米より承認が5年から10年遅れることが珍しくない日本で、これは画期的なことだった。しかし、その後、製造販売者(日本ベーリンガーインゲルハイム)によると、2011年3月14日から8月11日で、5人の死亡例を含め、81人の重篤な出血性の副作用例が報告されている(発売以降の推定使用患者数:6万4000人)とのことだ。それで、(おそらく厚労省の指導を受けて)添付文書に「警告」欄を設け、投与中は出血や貧血などの徴候を十分に観察することや、腎臓を介して排泄されるため、適宜、腎機能検査を行うことなどを注意喚起した。

    変なことを言う人は、どこの世界にも必ずいる。この件に関しても、「ドラッグ・ラグは、欧米で多くの患者に使用されて、有害事象が明らかになってから日本に入ることので、むしろ好ましいことだ」と言う専門家がいる。確かに、中には、その後の検討で、全体として、有害事象>便益となる薬があるかもしれない。しかし、そのような例は、きわめて稀だ。薬には副作用や合併症はつき物だ。しかし、それ以上に薬の恩恵を受ける患者がいることを忘れてはいけない。稀な例をことさら取り上げて、全体の利益を考えない発言をする人には、疑問を呈さざるを得ない。